トップ > 活動の記録 > 乱捕りしよう > 法形の組み合わせ




 法形を個々に単独で行うのではなく、組み合わせることでもっと楽しめます。法形を基本へ、乱捕りへ演武へ有機的につなげましょう。「実際にこんなことは当たり前ではないのか? という拳士の方々も多いと思うが、丸廉ではそういものこそちゃんとあげていきたいと思います。

  T 表裏・順逆・左右
  U 時系列
  V 水平
  W 垂直
  X 相対

※T、Uは法形演練を行ううえで必修となるものです。このUまでをしっかりするだけでも、法形が乱捕りと演武を不二にします。



T. 表裏・順逆・左右 心と体を柔軟に。磨き上げます。
  複合法形Iは一つの法形で行います。なぜ一つの法形で「複合」なのか。それは教範を見れば分かるとおり、法形には何系・何法もできるからです。左-右、順-逆、表-裏、前-後などですね。

  これは、法形は一つしか使わないので、一番シンプルな組です。 昔の科目表にはではちゃんと左右など書かれていました。今は書かれていませんが、もちろん「やるだろう」という前提で省略されているだけでしょう。少年部科目表ではまだ残っている箇所もあります。でもほとんどされてないよのね〜現状は。法形は試験科目としてやっているわけではありません。

 
  • 流水蹴の裏表 (攻者の攻撃により変化)
  • 内受突の順逆 (守者体勢により変化)
  • 上受突の左右 (攻者の攻撃により変化)
  • 上受突の表裏 (守者の体勢により変化)
  • 寄抜の左右 (攻者の掴む手により変化)


先の概念も入れれば更に多様ですが、先の稽古はこれら以上に形を追う稽古では得られないので省きます。
昭和30年代の科目表から。
小手抜に左右完成という表記があります。
左右の指定は、現在の少年部科目表でも行われています。

内受蹴が表裏指定されています。

(ov27に実施、またov42「流水蹴」がより具体的です。参考してください。)

U.時系列
法形から生まれる乱捕りと演武の中間。これが、乱捕りのような演武、演武のような乱捕り。 へのリンク
 複数の法形を時系列で繋げて行います。つまり、上受突→(連反攻)→内受突といった具合です。
 地味・単純ですが、繋げるだけでもかなり集中力が増します。そして少し長めの攻防を行うことで、単発的な動作に自然と流れがでてきます。流れ、繋ぎの箇所は法形には既定されていない部分ですから、当然自分の頭で考え体に聞いて行わなければなりません。こうすることで法形の前後も意識するようになります。二つ、三つとつなげる場合、攻守が一回一回入れ替わってもよいのですが、まずは、攻守を入換えずやってみて下さい。
 これも別に当たり前のことで、高段者の試験科目では時系列につながった項目が多数見られます。昔は練習でもよくしていたとのこと。この時系列につなげた延長に演武があることは容易に想像が付きます。

 組み合わせは、どんなものでもいけるはずです。昨今の演武では、まず流れありきで構成が組まれるので、あえて不自然?な流れを入れることもオススメします。自由攻防では、そういった一見不自然に見える動作で満ちています。しかし現実にはそのようなものが沢山あります。世の中は一見乱雑です。これも研究してみましょう。「あえて不自然な流れをいれる」というのは不自然かも知れません。選んだ組み合わせが多少難しくてもやってみる、とも言えるでしょうか。
 技の流れを考えるとき体勢的に無理なのか、ただ自分の練度の関係で無理なのか、これも考える必要があります。稽古として考えるならば守者の攻防はより自然なものを求めるべきですが、攻者の攻撃については自然な流れのものと併せて乱雑さを持たせることも大切だと思います。
 実際の練習では、三つほどの法形を指定し、
  (攻者)→(守者)→(攻者)
  (守者)→(攻者)→(守者)
と攻守を入換えた方法をオススメします。

現科目表より、
四段試験の組演武
(1)下段返より飛連蹴
(5)中段返より内受突
(9)開身突より押閂投   
五段試験の組演武
(1)開身突より閂内天秤
(2)半月蹴より天秤投
(9)蹴天三より虎倒・伏虎地二  

 実際に行った回はこちら

※ 以下はより深く法形演練を行うための仕組みです。


V.水平 詳しくはこちら → 複合法形U
  単一の法形をやっていると、攻者の攻撃法が既知すぎる。だから攻者のアクションに幅を持たせることで、守者側に運用の要素を持たせる、つまり自分で選択していくことが必要なようにします。
 科目表における法形の並びや、武専の実技科目を参照して下さい。ちゃんと意識して構成されています。

三級科目例
  • 小手抜と寄抜 (攻者の掴み方により変化)
  • 寄抜と巻抜 (攻者の攻撃法により変化)
  • 下受順蹴と下受蹴 (攻者の攻撃法により変化)
  • 内受突と下受蹴 (攻者の攻撃法により変化)
  • 上受蹴と上受突 (守者の体勢で変化)
また面白いものとして突天三と蹴天三天三の形

 三段科目の「復習研究」、四段科目の「研究・指導」や武専の実技カリキュラムをご参照下さい。



W.垂直
 余裕が出てきた場合に、より他の法形で初撃でかたをつけたり(例1)より難度の高い法形に昇華させたり(例2)する事です。複数の法形を意識することで共通する体使いなどに気がつくかもしれません。
 この変化は、より難しいことを自分の為にするのであって、上のI.やII.のように変化の要因が外(彼・我の体勢等)にあるのではなく、内(我の向上心)にある変化です。

他の法形で早めにかたをつける
 天王拳系は基本的にエラーケースの技なので別に二撃目を必ずしも待つ必要はありません。もしもの二撃目に備えるなどの観点から連攻に対する練習は必要ですし、また併せて一撃目で対処できるように努めるべきでもあります。

 1
  • 上受突と突天一
     攻者は上中二連。守者は可能な限り攻者に中段突を出させない。
       上受蹴 + 下受順蹴 = 突天一
  • 突天一と天三の形
     攻者は上中からの三連攻。守者は可能な限り攻者に蹴を出させない。
       上受蹴 + 下受順蹴 + (上受蹴or十字受蹴)=天三

より難度の高い法形に移行してみる
 2
  • 内受突(裏)と千鳥返 (守者は余裕があれば千鳥返)
     守者は余裕があれば・千鳥返。内受突の内受と突の間に、裏手打の動作を加える。一字構から千鳥返も練習する。
  • 内受突(表)と燕返
     守者は余裕があれば燕返。内受突の内受と突の間に、手刀切の動作を入れる。一字構から燕返を練習する。
  • 外受突と開身突
     守者は余裕があれば開身突。守者は可能な限り柔らかく受けて攻者を誘導する。柔らかい外受、力強い半月受も試す。※教範で外受の項目を検めて確認のこと。
  • 下受蹴と下受蹴小手投
     守者は余裕があれば捕る。柔らかい下受を心がける。
  • 龍王拳と龍華拳
     だいたいセットで学んでいるはずです。
  • 五花拳につなげる
  • 柔法は各種の変化が基本になるでしょう
  • …etc

 いずれにしろ戦術的には別個なものがいくらあっても仕方ないので、法形を収斂する修行・経験は必要だと思います。


これら、垂直(より難しいものへ)の関係は、武専の実技カリキュラムが参考になります。ご確認下さい。



X.相対
 攻守が入れ替わる組み合わせもあります。
 入門後最初に習う柔法は何でしょうか。小手抜ではありませんよ、腕十字です。何故、腕十字を最初に学ぶのでしょうか。腕十字に似た技、腕十字のような腕を捕る技は逮捕術や柔道でもある比較的一般的な技なのです。これをまず教えます。そしてちょっと痛く捕られるわけです、新入門は。そこで小手抜というか、鉤手の登場です。「こんな痛い技がある」「比較的一般的な技だぞー」「これから身を護れよー」ということで守る必要性が生まれ、小手抜につながるわけです。科目表はよくできてます♪
 腕十字は腕を引きます。小手抜は引かれた時の守法です。これが続けざまにカリキュラムに入っているのは偶然ではありません(たぶん)。

 またこの相対考える際、重要になるのは三合拳です。三合拳の攻者は一字構です。攻者は守者であり、守者は攻者であるということです。攻者は何を警戒して一字構なのでしょうか。



 法形に、変化(応用)を持たせるとか、選択肢を迫ることでもっとよりよい稽古となるはずです。法形を単なる固定された伝統芸能にしないようにしましょう。偶像崇拝禁止!! 法形は目的ではなく手段です。法形を生かしましょう。
 上記のT〜Wを組み合わせることでより法形の形が見えて来るはずです。これらは決して特別な稽古ではありません。


法形の組み合わせは、科目表や武専カリキュラムを
見ればちゃんと狙って組み合わせてあります。
もっともっとありますので各自研究してください。



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